どんどん変えていこうぜ!アラフォークリエイターな生活
著者: 南雲 玲生ボクは、39 歳なのですが、ゲームクリエイターといえばそうだし、作曲家、IT 系な会社の社長でもあるのですが、世知辛い世の中を、サバイバルしましょうということで、大事なことをまとめました。
チャンスってあまりないよ
予備校を挫折して、港湾労働者とか印刷屋さん、広告会社とか長続きしなくて、印刷工場の夜勤で、一生、漫画雑誌を積み上げて、死んでいくと思ったらむなしくて、五反田の工場から夜中脱走しました。子供のころから音楽をやってきたので、お金がもらえて、しかも賞与がもらえてと思って、ゲーム業界を目指したのです。ほとんどのゲームメーカーに落ちて、コナミに受かったのが、21 歳。DJ ごっことかしていたので、推薦で『ビートマニア』を立ち上げて、『ポップン』とか、その後いろいろ発展させ、うまくいったから給料もたくさんもらって贅沢ができた。若かったから、もっともっと大きなチャンスがあると信じていたけれど、今までにない新しい分野でヒットを出せるのって、本当に難しいですよ。
自分自身がゲームやっている
2000 年にSCE に入りまして、結婚して子供もできたのですけれども、大学受験勉強を始めたら合格したのです。アルバイトをしようとして、逆に有名すぎてどこのスタジオも受け入れてくれなくて、自分の会社を作りました。優秀な人たちが集まるまでに数年かかり、人が増えると、売上とか気になるし、受託開発ばかりやっていると、言うことを聞かなくてはいけないので面倒でしょう。バランスを見ながら、自社で事業を立ち上げ、とはいえヒットしないと、社員の士気が下がるし、本当にシミュレーションゲームです。
東京が中心じゃない
スマートフォンのマーケットって、売り上げが翌日に出る。Google Play は購入した人や都道府県までもわかります。
そこで気がついたのは、クリエイターが、ユーザーに、同等の情報や知的レベルを期待しすぎると失敗するということ。
そこで、大学の友人、子供から逆に教えてもらう機会が増えまして、庶民感覚、生活スタイルとかわかりはじめました。地方のイオンモールの家族連れとかカップルを見ていると、何か、こういう企画がウケる? とか考えます。直感ですね。クリエイターが偉そうにカタカナ言葉や未来像を語る前に、普遍的な生活を見てみようと。
ネットの情報も古い
この文章は、2013 年2 月に書いていますけれども、ソーシャルゲーム業界も激変ですね。ボクの会社も、アプリの課金よりも、アドネットワーク(広告)のほうが伸びています。出稿状況を分析して、上場企業の四半期決算を見ると今がわかるのです。
人々の趣味嗜好も多様化して、次のヒットが何か予測できないからこそ、時代の潮流になるよう、攻めていかなくてはならない。マーケティングや分析だけではない、独創的な企画やイメージが求められるでしょう。
今の子供はi-mode を知らなくて、スマホで育って、ゲームでもソーシャルも、スマホもWii やPS4 も垣根はない。プラットフォームに固着しない、大胆な発想が必要です。
僕らが作った、斉藤さんというコミュニティは、すでに480 万ダウンロード、今も、毎日5,000 人以上のユーザーが参加している現実があります。電話をゲームにするなんて、IT 系の人には思いつかなかったでしょう。
「事件じゃなくて、アイデアは現場に落ちている」。
そのように考えるべきですね。
クリエイターは不安が駆りたてる
大胆な企画と、ビジネスで事業を考えないといけなくて、社長と、プロデューサーと、ディレクターと、プランナーを同時にやるわけです。お金が沢山あればいいけれど、新しいことをやって、失敗したらリスクが大きいでしょう。だから1 日も早くリリースできるように、コンパクトにする。そして、考えが古くなったら必要とされなくなるので、不安があります。だからこそ新しいことにチャレンジし続ける。常識を覆す発想、市場自体も飛び越えるようなビジョンを持ってね。
最近ボクは、ゲームやアプリで遊んでもらって、その分、たくさんの人々の時間をいただくのに、なぜお金をいただくのか、疑問に思っています。これから10 年でビジネスの常識を変えていきたいですね。