紙とペンでゲームを作る
著者: 鶴 剛史みなさん、ボードゲームはとても楽しいんです!
サイコロを振るのはシンプルに楽しい。狼になって村人を食べるのも楽しいし、ヘタウマな絵を書いたり、ネンドをこねたりするのも、また楽しい。
「ボードゲーム」とひとことで言っても、さまざまな楽しさ、ゲーム性があります。勝ち負けに白熱するものもあれば、それとは別な部分、その過程や交渉などの駆け引きやロールプレイするといった楽しさもあります。
それらは何によって実現されているのか……それは一緒に遊ぶプレイヤーとの関わり、コミュニケーションによって生まれています。
ボードゲームでは、1 ~ 2 時間で楽しめるシンプルなルールで多様な楽しさを提供しています。
今ではゲームと呼ばれるものはオンラインではもちろん、オフラインでも多くのプレイヤーとの関わり、コミュニケーションをもって遊ばれるようになりました。
そのなかで、ボードゲームを知ることは、多人数で遊ぶことで「何が楽しいのか」「それは何によって生まれるのか」を学べるので、とても良いツールだと考えています。
そう、ボードゲームを遊ぶことは、ゲーム開発者にとって勉強なんです!
筆者も定期的にボードゲームを遊ぶゲーム会を主催しておりますが、毎回、大勢の方が参加してくれています。本当にみなさん勉強熱心だなぁと感心するばかりです(笑)。
ボードゲームの利点はもうひとつあります。
紙とペン、ハサミといった簡単な道具があれば、ゲームが作れてしまうことです。GDCでは短い時間でアナログゲームを作る、ゲームデザインワークショップが行われています。そこでは、画用紙や数枚の名刺サイズのカード、ポストイットなどで、ゲームがデザインされています。
そう、仕様書を書いて、プログラマーにお願いしなくても、Unity がなくても、紙とペンがあればゲームは作れるんです!
ゲームを短時間で、しかもアナログな手法でデザインするといっても、その流れは我々がやっているゲーム制作と同じです。コンセプトやテーマを分析し、その分析に基づいてゲームをデザイン、実装、テストプレイして修正する……1 年2 年かけて制作するものより、1 つのアイデアでダイナミックに変化するアナログゲームのデザインは、より密度が高い時間を体験できると思います。
SIG-BoardGame では、このようなボードゲームにある利点を活かし、より良いゲームを制作するために、ゲーム開発者や開発者をめざす方々に向けて、MDA フレームワークをベースとしたワークショップやボードゲーム交流会を行っています。
ぜひ、ゲームデザインによってより良いコミュニケーションを実現したい方は、SIGBoardGameの活動にご参加ください。
そのほか、イベントの参加以外にも、SIG の運営のほうにご協力して頂ける方も募集しております。
ご興味ある方、ご連絡ください!